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ペイオフ再確認と不動産投資ブームについて

ペイオフ再確認
先月号でお知らせいたしました、ペイオフ対策は既に完了しましたでしょうか。復習の意味で先月掲載しましたペイオフ対策をもう一度掲載させていただきます。これまでの定期預金に加え、普通預金についても、預け先の金融機関が破綻した場合、「1000万円までとその利息だけ」しか保護されません。オーナーさんの場合は、銀行ローンを組んでいるケースが多いですから、ペイオフだからといって、メインバンクを変えるのは難しいと思います。そこで

  1. 最も簡単なのが一つの金融機関の預金額を1000万以下にするという方法です。

  2. ローンを組んでいる場合は、事前に預金とローンの相殺手続きをしておく。この方法は、こちらから金融機関に申し出をして手続きする必要があります。 

  3. 決済性預金とする。決済性預金とはその金融機関が破綻しても全額保護されるかわりに金利が一切付かないというものです。

  4. 現在付き合いのある金融機関の経営状態はどうなのか(週間ダイヤモンドによく特集されるので本屋さんで購入して確認してください)

  というところです。じつは今、このペイオフを機会にお金が不動産投資に向かっております。今月号はこの不動産投資について報告させて頂きます。

不動産投資
金利がこんなにも安いこの時期、このペイオフを機会に、利回りの高い不動産投資に踏み込まれる方が多くいらっしゃいます。またロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さん貧乏父さん」の発刊以来一種の不動産投資ブームが起き、一般サラリーマン向けのアパートマンションに関する投資の本がじつに沢山発売されております。私も、不動産業者として興味がありますので、賃貸アパートの経営本を沢山買い込んで、休日の度に読んでみました。およそ15冊は読んだでしょうか、投資をはじめて何年で月収100万円とか200万円とか、初めて本を読む方には、すごいなーと思われる内容ですが、中にはとてもプロが書いた本とはいえないものがありました。これらは投資理論に裏付けられた内容ではありませんので、はっきりいって危ないケースが結構ありました。私が読んで参考になりましたのは1~2冊だけです。今月と来月はその本の内容について、具体的にご紹介したいと思います。それでは、不動産投資を安全確実に行うにはどのような事に気を付けるべきか、まずは投資が注目されている理由からご確認下さい。

1.不動産投資が注目されている理由

不動産投資が注目されているのは以下の理由からです。
  1. 超低金利が長く続いていること。
  2. ペイオフが実施されること。(実施されました)
  3. 不動産価格が下落したこと。(供給過剰で価格が下落)
  4. 年功序列、終身雇用制の崩壊。
  5. 賃料収入が比較的安定していること。
預貯金では、ほとんど金利が付かない現状では、金融商品で資産を運用しても良好な結果を得ることはできません。これに対して、不動産投資は不動産価格が低下し、十分な利回りが確保できるようになったことから、特に中古マンションは8~10%程度の高い利回りを確保できるものも多く、めぼしい投資先がなく困惑していた投資家の熱い視線を集めるようになりました。しかも、ローンを組む場合も低い金利で資金調達できますから、超低金利のデメリットも不動産投資においては追い風となった訳です。

2.不動産を評価する方法

バブル時代と現在では、不動産投資の環境が違います。日本では戦後50年間、ずっと「不動産は値下がりしないもの」という神話が続いていました。さらにバブル時代には、「株や不動産が値上がりするのが当たり前」というムードが生まれてしまい、リスクを顧みず浮かれた投資が続き、失敗したのです。要するにバブル時代は将来の不動産価格の値上がりを期待し、売却時のキャピタルゲイン(売却益)を狙った投機だったのです。これに対して現在はインカムゲイン(不動産の賃料収入)を重視する堅実な投資に変わっています。不動産の購入価格に対してどれくらいの賃料が得られるか、期待ではなく現実的な判断材料に基づいているところがバブル時代との大きな違いです。

ここで不動産を評価する方法として、取引事例法・原価法・収益還元法とよばれる3種類の評価法あります。

①取引事例法
近隣の不動産事例がいくらだから、この不動産もいくらだと比較論から評価する方法。

②原価法
今その不動産を再調達したら、いくらかかるかというところから評価する方法。

③収益還元法
不動産の収益から評価する方法。単年度の純利益を期待利回りで割り戻した数字を収益還元価格という。(直接還元法=DCF還元法)

現在では、賃料収入を一定の期待利回りで割り戻したものを 収益還元価格とし、それが市場価格であるとする評価をするようになってきました。
例:大泉学園周辺の中古ワンルームマンション(実質賃料収入50万円)÷(期待利回り=キャップレイト8%)=625万円が評価額になる。(これを収益還元価格といいます)

指標その1:実質賃料収入(NOI)÷期待利回り =不動産評価額(収益還元価格)

              期待利回り=実質賃料収入(NOI) ÷不動産評価額

実質賃料収入(NOI)は下記を参照してください

この期待利回りはエリアによっておおよそ決まっています。他に築年数、設備、 市場の金利などの要素によって変化します。都心に行くほど期待利回りは低くなります。

立地と築年数によるキャップレイトとの推移を単純化して表示。

キャップレイトの比較 新宿 吉祥寺 立川
都心からの距離 0km 15km 30km
新築 5% 6% 7%
ミドルクラス 6% 7% 8%
築年古い 7% 8% 9%

また、これと似たケースでよく使われているのが表面利回りです。この表面利回りは、広告などに広く掲載されておりますが、正確には以下のようになります。

指標その2:(潜在賃料×12ヶ月)÷購入価格×100=表面利回り(想定利回り)

潜在賃料とはこのぐらいの賃料で貸せそうだという想定賃料です。

購入価格とは物件価格そのもので登記料や手数料など諸経費は含まれておりません。以上、相当アバウトな利回りであることがお判り頂けると思います。

3.金利上昇時に不動産価格の下落リスクがある

持家であれ、投資用であれ、不動産を買う場合にはローンを組む場合が多いと思います。金利が上昇するということは、ローンの返済額が増加するということを意味します。現金の持ち出しが多くなる訳です。その人の持つ収入から持ち出せる額には限りがあります。この金利上昇を十分に見込んで購入しなければいけません。現在のアパートなど事業用のローンは結構安く2%を切ることもあります。しかし、金利が上がったときにも支払が出来るようにしておくべきです。時の経過と共に金利が上昇した場合、4~5%の高金利になっても支払いができる内容のローンを組むということを忘れないで下さい。また金利が上がるということは、おのずとその分買える価格も下がって来ることになります。従って、市場での買い意欲が下がり、不動産価格が下がっていくということが理論的には言えると思います。

4.利回りが(8%~10%)あればいいとは限らない

不動産から得られる年間の手取りの賃料収入(これをNOI=ネットオペレイティングインカムといいます。)を推測することから始めます。賃貸経営にはランニングコストが掛かります。毎月の管理費、修繕積立金、管理会社手数料などのランニングコストを年間の賃料収入から引いたものがNOI(実質賃料)ということです。このNOIを不動産の取得額で割って100を掛けた数字が、実質投資利回りとなります。

実質賃料収入(NOI)÷取得価格(総投資額)×100=実質投資利回り

こうして実質投資利回りを算出します。 ここで注意することがいくつかあります。

  1. まず、家賃が確定したものなのか、予定(潜在賃料)なのかです。すでに賃貸中の中古物件なら家賃は確定している訳ですが、新築の場合は想定賃料にすぎません。例えば、7万円で募集したけれど、実際には6万5000円になってしまった、なんていうこともよくあります。

  2. 空室損も見込んでおかなければなりません。入居者は一生そこに住んでいる訳ではないので、次ぎの入居者が決まるまで賃料収入はありません。この空室損を最低でも年間賃料収入の5%は見積もっておくべきです。

  3. また不動産取得の際には不動産取得税、仲介手数料、契約書に貼る印紙代、登録免許税、火災保険等の費用がかかります。これらは不動産の取得価格に織り込んでおかなければなりません。

  4. さらにローンを組んだ場合は返済金もランニングコストです。但し、賃料収入に対するローンの返済額の割合は慎重に考慮しましょう。

また、投資判断には、3つのポイントがあります。それは、
①実質投資利回り ②ローン条件 ③売却額です。

いくら利回りがよくてもローンを組む時に、物件の築年数が経っているので、長期の返済期間で金融機関が融資してくれないことがあります。するとローンの返済額が多額になりますので、キャシュフローが悪いということがあります。また利回りがそこそこあっても、物件の市場価値(売却額)が保有期間中に下落していれば、大きな含み損をかかえることになります。売却価格を考慮すれば最終的な利回りはマイナスとなることもあります。ここのところが冒頭で説明しました投資理論の視点が欠けているところです。

潜在賃料 70,000円
賃料差損 ▲5,000円
空室損 ▲3,250円
実行賃料 61,750円
NOI 48,750円
ローン返済額 ▲18,000円
CF(キャッシュフロー) 30,250円


指標その3:実質賃料収入(NOI)÷取得価格(総投資額)×100=実質投資利回り

総投資額=購入価格+仲介手数料+登録免許税+火災保険+不動産取得税+ローン保証料+印紙+リフォーム+消費税

NO1=(潜在賃料-未達成分賃料)×12ヶ月-空室損-賃料未回収損-運営コスト-固定資産税-その他

5.投資判断は利回りでなくDCRで行う

ローンを組むことによって、大きな金額の不動産を買うことができるのは、不動産投資のいいところです。このローンの扱い方が大変重要です。投資判断基準として、よく言う利回りですが、実はこれはあいまいな言葉です。この数値だけを頼りに投資をすべきではありません。ローンの組み方によるCF(キャシュフロー)が問題なのです。手取り家賃収入NOIから、借入金返済額を引いたものがCFですが、このNOIに対して返済額がどのくらいあるかが問題なのです。ここで重要な投資指標があります。NOIを借入金返済額割ったもので、 債務回収比率(DCR)といいます。つまり返済の何倍収入があるか、という指標です。およそこのDCRは1.2以上が必要です。1.0をきってしまうことがあればそれは破産を意味します。

指標その4 : NOI÷借入金返済額=債務回収比率(DCR)

6.少ない自己資金で大きな効果を得ることも出来る

ローンを積極的に組むことによりレバレッジ(てこ)効果を得ることが出来ます。仮に1000万円の自己資金があり、ともに利回りが10%で一方は販売価格1000万円、もう一方は、販売価格5000万円だとします。1000万円の物件を全額自己資金で購入した場合、年間の賃料収入は10%の100万円。
これに対して、5000万円の物件を融資機関30年金利2%で4000万円のローンを組んで購入したとします。すると年間の賃料収入は10%で500万円となります。
4000万円の返済額は177万円となり323万円が手元に残ることになります。物件の利回りは10%だけれども、自己資金に対して何%回ったかという自己資金配当率(CCR=キャシュオンキャシュリターン)

指標その5:CF÷自己資金=(CCR=自己資金配当率)
このケースの場合、利回り10%の賃料収入
5000万円×10%=500万円のキャシュフロー(CF)
賃料収入500万円-ローン返済額177万円=323万円
よって、賃料収入323万円÷自己資金1000万円=32.3%CCR
1000万円の物件では100万円しか手に入らなかったけれど、ローンを組んで
5000万円の物件を買うことによって3倍以上の収入を得ることが出来たのです。
7.損益分岐稼働率でリスクを把握

不動産投資の失敗は何かというと、収入より返済が上回るという状況に陥ってしまうことです。
家賃の下落や空室損によって、賃料収入が減少してしまう、もしくはローン金利の上昇で返済額が上がってしまうという状況です。
こうならないためには自己資金をなるべく多くするしかありません。自己資金が多くなれば安全性は高まります。
このようなことから損益分岐点稼働率を自分で計算しておく事が重要です。

指標その6:借入金返済額÷NOI=損益分岐稼働率(DCRの分母と分子が逆です)

例えば、NOIが100万円ありローンの返済額が70万円とすると、70万円÷100万円=70%の損益分岐稼働率となります。つまり賃料収入に占めるローンの返済割合を表しています。この場合1-70%=30%で30%まで家賃がさがってもローンが返せるということになります。

  8.物件の善し悪しはどう判断するか?(昭和56年以降がポイント)

当たり前のことですが、価格が安く、駅から近く、環境、日当たりがよく、築年数が浅くと誰がみても分かることですが、これ以外のポイントとして、
昭和56年(1981年)以降
に建てられた物件に限ることです。この年に建築基準法が改正され、新耐震設計法が施工されました。これ以降に建築された建物は大地震に対する安全性が確認されたもので、阪神淡路大震災の際、新耐震設計法で設計された建築物はほとんどが軽微な被害、又は無被害でした。また最近重視されているのは間取り、外観、外構、設備仕様、セキュリティです。特にセキュリティは大変重要になってきています。治安が悪くなってきていますからオートロック・防犯カメラ・センサーライト・ダブルロックなどというセキュリティ対策がなされているかということを入居者は気にしています。要は、もし自分が入居者だったらその部屋を借りるだろうか、という感覚で物件を選ぶ事ですね。

  9.年間どれくらいの解約があるのか

解約率というのは、例えば、100戸のマンションがあったらその内、年間何戸空くか、退去するかということです。およそ20%位はみておく必要はあります。シングルタイプで20~25%、ファミリータイプで15~20%が平均値だと思います。
当然、解約は少なければ、少ないほどいいのですが、・・・・

指標その7:(年間解約戸数×平均空室期間)÷(総戸数×12ヶ月)=空室率
解約率=解約戸数÷総戸数

1÷解約率=平均居住年数

以上、今月は「不動産投資」についてお話しさせていただきました。来月号は、投資用不動産をお探しの方に参考となる購入チエックリストを作ってみたいと思います。 以上ご紹介しました本は主婦の友社から1500円(税別)で発売されております。

「表紙には200万円からはじめるマンション投資術」と書かれています。著者は藤沢雅義さんという方で、アメリカのCPM(不動産経営管理士)の資格を持っている方です。これら投資理論は日本では不動産鑑定士が使っています。

追伸 ただ今当社では大家さんのお手伝いをしております。難しい問題でもお問い合わせ下さい。
① 空室・滞納・退去トラブル(東京ルール)で困ったという方。
② 借入金利はじめ経費節約について情報を知っておきたいという方。
③ 申告・納税についてもっと節税をしたいとお考えの方。
④ お金の掛からない資産活用をしたいとお考えの方。
⑤ 概算相続税の算出・遺言・分割・納税・節税をお考えの方。

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